3日の朝は、今回のツーリングでは初めての快晴だった。きさくな二人の見送りを受けて、再びえびの高原へと向かう。
実は今回、最初の天気の不順もあって、予定していた林道を全てキャンセルして、まっすぐ阿蘇山に向かうつもりでいた。一昨日まわりきれなかった温泉で、気になるものがまだいくつかあるためだ。ところが、あまりに天気が良いので、ついふらふらと、林道に向かって行ってしまった。
倶留尊峡という渓谷にそって走る林道で、私有道らしいが、一般に解放されている。
道自体はもちろんだが、林道内にキャンプ場もあり、きちんと整備されている。
林道を通り抜け、今度は椎葉林道へと向かう。以前来た時には米良(めら)村に至る国道からアプローチしたのだが、この道がめっぽうしんどい。で、今回はその国道に平行して
、五木村へむかう県道からアプローチすることにした。
この道は最近出来た道で、どうやら新しくできるダムのために、水没する集落を通
る道を付け替えたらしい。道そのものは大変快適で、以前通った国道に比べて遥かに良いペースで走ることができる。しかし本来私が好きなのは、山里と山里を繋ぐ道なのだ。こういう生活感の無い道というのは、走っていても味気ない
と思うのは私だけだろうか?
ところで、この道を走っている時に、BAJA乗りのライダーと知り合った。彼もやはり椎葉林道をめざしているらしく、結果
同行するような形になってしまった。
途中何度か分岐が分からないところがあったのだが、思わぬ同行者の出現で、大変心強かった。なんどかの検討の結果
、やっと椎葉林道の入り口を見つけたところで、あきらかにペースが上な彼に先にいってもらい、私はその後をとことこと走って行った。
この椎葉林道は、それに続く内大臣林道とあわせて35km程ある、九州で最長のダートだ。しかし、先ほどの林道と同じくきちんと整備されているため、私のようなものが走っても、基本的には何の問題もない。ただ、その林道へのアプローチが、南から来ても北から来ても、相当ややっこしいので、時間に余裕は必要だろう。
峠には他のライダーに混じって、BAJA君がいた。そこでちょっと休憩した後、再び彼に先行してもらい、あとを追う形になった。
林道を抜けたところで、BAJA君が今度は他のライダーと地図の検討をしていた。結局彼等の行きたい所が私と一緒だったので、彼等の後を再びついて行くことにした。
通潤橋に来た時点で、彼等はそこによる雰囲気だったので、私はそこで彼等と別
れ、一路阿蘇山へ向かう。思っていたよりは順調なペースで来たが、これから阿蘇山をこえてキャンプ地を探す時間を考えると、温泉探訪がほとんどできない時間だったからだ。
途中道の駅で一服していると、またBAJA君が追い付いた。彼もやはり同じコース
を考えているらしく、彼の知っているお勧めのキャンプ場を教えてもらい、もしチャンスがあったらまたあおうということになった。
阿蘇山は快晴だった。過去3回の内、1回は濃霧と雨、後1回は曇天と、あまり天気に恵まれなかった私だが、今回はばっちりだ。しかし一方で、もうGWの後半に入っており、人もそれなりに多かった。渋滞する程では無いのだが、やはり爽快感は半減する。
阿蘇山を下り、おしえてもらったキャンプ場に行く。やはり人が多い。しかしシーズンだから仕方が無い。金を払って入って行った。
テントサイトを物色していると、BAJA君があらわれた。どうも彼はこの混雑振りに困惑しているようだ。無理も無い、先日泊まった時はほんの数えるぐらい、それもライダーばかりだったらしいのだ。そこで、お互いもう金は払ってしまっていたのだが、違うキャンプ場に行くことにした。
次にいったのは「坊中」キャンプ場といい、若干荒れているが、静かな良いキャンプ場だった。なにより、バイクはバイクだけでキャンプサイトをまとめてくれたのが嬉しい。ここもツーリングの基地に決定だ。
テントをたてて、さっそく彼と温泉へ。彼が数日前に泊まった時に、見つけることができなかった
、阿蘇内牧温泉にいくことにした。ここは町中にたくさんの外湯があり、それらはむしろ銭湯のような感じになっている。実は私は銭湯も好きなのだが、ここはとりあえずヘルスセンター風の温泉に行くことにした。まあ感想としては、…並みかな。
けっこうその温泉でゆっくりしたので、もう今日は自炊を止めて、外食を取ることにした。「山賊茶屋」という、いかにもといったネーミングだが、大変美味しいうえに、量
もけっこうあった。特に、豚汁風の汁の中にだんご?が入っている、「だご汁」がお勧めです。
テントサイトに帰り、コーヒーを飲みながら、取り留めの無い話をかわして、テントに潜り込む。ラジオの天気予報では何の問題も無い。今日も面
白い1日だったと思いながら眠って行った。
4日、まだ夜はあけて無いが、天気は問題ない。他の人に迷惑をかけないように静かに撤収を始める。と、BAJA君も撤収を始めた。彼は今日、フェリーで川崎にむかうのだ。私も今日で九州に別
れを告げ、四国に向かう予定だ。
彼に別れを告げ、やまなみハイウエイを別府に向かう。やまなみハイウエイを快適に走るため、ちょっと早めに出発したのだが、まだ6時だというのに、けっこう車が走っている。結局、車と車の間に挟まれ、湯布院温泉に至った。
湯布院は、いままで何度か通り過ぎているのだが、立ち寄ることさえ無かった。そこで、今回是非入ろうと市街に立ち寄ることにした。私が入ったのは、市街のはずれの田園の中にあるものだった。ここは家族風呂が多く、6部屋程あるようだ。若いカップルがたくさん来ているのもうなづける。
風呂から出た後、BMWの1150GSに乗る方としばらく話し込んだ後、別府港へ向かう。ところがフェリーの出航時間のタイミングが悪く、2時間待ちになってしまった。別
府の温泉巡りをする手もあったが、町中をうろうろするのも面倒だった。そこでお土産を買うついでにかった、少年ジャン◯を読んで、時間をつぶしたのである。まあ、さぞまわりのツーリングライダーの目からすると、俗っぽいやつに見えただろうなあ。
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